近年、不動産の競売に興味を持たれ入札に参加される個人の方も増えております。しかし、競売となると一番心配なのが占有者の立ち退きの問題です。そこで不動産が競落され、その後どのような手続きを踏んで強制執行されるのか簡単に解説したいと思います。
競売の場合、入札期間が終了して1週間後に開札が行われ、一番高く入札した個人・法人に対して売却許可決定がなされます。その通知が来て2~3週間後に残代金の納付をし、裁判所の職権で不動産の所有権が落札者に移転されます。一般的には、落札した本人または代理人が直接、占有者と交渉し引越等の話し合いをします。場合によっては10万~20万円程度の引越費用を支払って立ち退きを行うケースもあります。
しかし、占有者と連絡が取れなかったり立ち退き交渉に応じてくれなかった場合、最終的に強制執行をしなければなりません。落札者は所有権移転後、原則6ヶ月以内に引渡命令を取り、その証明書に執行文を付けて裁判所に申立を行います。東京の場合、目黒の民事21部にて引渡命令と執行分をとり、その書類を持って霞ヶ関の東京地裁に予納金を納めて執行申立をします。更に、翌日以降の朝8:45分~9:20までの間に執行官の面接をしなければなりません。その面接でまず催告の日を決めます。
また強制執行では占有者の動産(家具や荷物)を運び出さなくてはならないので、執行官がその場で運搬業者を紹介してくれます。朝、地裁の執行官室に行くと部屋の前には20人程度の怪しき人々がたむろしています。執行官に聞くと彼らは不動産執行の仕事を受けるために朝から待っている業者との事。催告の日には占有者が留守の場合や出てこないケースもあるため、鍵の解除人も同行します。そこで室内の動産を確認し費用の見積もりを取ります。
また、運び出した荷物は1ヶ月間保管しなければならず、その保管料の費用もかかってきます。このように強制執行には手間と費用がかかるため、可能ならば占有者と円満に交渉して明け渡しをしたいところですが、入札前の段階から立ち退き交渉などは出来きない事や、占有者の人物像など不明であり、やむを得ず強制執行しなければならない場合もあるのです。 実際の強制執行については次回ご報告いたします。
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