任意売却の後に債務者が気になる事のひとつに残債務の問題があります。それは競売でも任意売却であっても債務整理をしない限り債務がなくなる事はありません。 それでは債務者は任意売却後、どのように債権者に対応すれば良いか検討しましょう!
一切支払わない、もしくは払えないケース
当センターで任意売却をされたお客様には、当然のとこですが任意売却後の残債務について「支払わなくても良い」とはご説明しません。しかし、いくら頑張っても返済できない事情がある場合は返済できない事となります。
債権回収会社といっても、返済困難な債務者から強引な取り立ては出来ません。また、債務の返済を5年間逃れることができれば時効が成立してしまいます。ただ5年逃げ切れるほど甘くはありません。債権者は裁判所に訴訟を申立をして債務名義をとると時効が延びます。
これにより、債務者に資産があったり安定した収入や退職金が確実に入るような場合、差押などの法的請求を求められる事となります。しかし、裁判所の判決をとるには費用もかかるため債権者としてはできる限り話し合いによる回収方法を望みます。
数千円程度から返済をする
任意売却では、競売での処分と違い残債務の支払について話し合いがもてるというメリットがあります。その返済額は、債務者の生活に支障のない額の3,000円から10,000円程度での支払いが可能となります。
しかし、ここで良く考えて下さい。仮に任意売却後の債務が600万円残り月5,000円の約定をした場合、完済まで100年かかる計算となります。債権者は不良債権を抱えたまま、何十年も完済を待つでしょうか? サービサーとしては、ある一定期間返済をした債務者や回収の見込がないことが明らかな場合には税務会計上、貸倒として損金計上する事を選択するでしょう。
このような事から、任意売却後の毎月の返済額はなるべく少額に抑えたいところです。また、一定期間返済をした方はサービサーへ債務免除を申し出てみましょう!
債権を買い取る方法
一般的に住宅ローンを組むときには保証委託契約を結びます。最終的に任意売却をした後は保証会社に対して返済義務が生じますが、民間の金融機関のケースでは保証会社から債権回収会社(サービサー)に債権を譲渡する事が多いようです。ですが、サービサーに残債が譲渡されても心配する必要はありません。むしろ債務者にとっては、債権譲渡されることでその債権を格安で買戻せる可能性がでてくるのです。 債権譲渡される債権は、無担保債権で回収見込のないとの判断から、おおよそ債権額の2~3%で譲渡されているため、サービサーとしては10~15%程度の債権回収ができれば目的は達成することとなります。
しかし、サービサー自ら債務圧縮や放棄の話しを持ち出す事はありませんし、債務者から申し出ても最初は簡単に応じてはくれませんので、そこは粘り強く交渉する必要があります。
当センターでは残債務の圧縮交渉に関し、弁護士法に抵触するため代理人として交渉はできませんが、お客様と同行して話し合いする事は可能です。また、弁護士や司法書士に依頼する場合は当センターからご紹介することとなります。
※上記のことから、任意売却の場合は一般の売却のケースとは違い、残債務の事を考えて高く売却することよりも確実に期限までに売却する事、そして債権者とうまく付き合い引越代などの費用を捻出する交渉を優先すべきと考えます。 やはり、任意売却専門の不動産会社でなくては出来ない仕事です。