関東在住のお客様からの相談があり、地方都市にマンションを保有し居住しなくなったため賃貸で回していたのですが、半年間入居者が埋まらず住宅ローンの返済が始まってしまったとの相談。
借入先は住宅金融支援機構で、お客様が取扱銀行の住構センターへ任意売却の意志を示したところ、すぐに「任意売却に関する申出書」を郵送され、捺印して返送くださいとの事。
一見、何の問題のない流れのように思われますが・・・・
お客様は、既に申出書にサインし郵送する間際で当センターに相談されました。
「その申出書の送付ちょっと待って下さい」 はい。
「その申出書を提出する事で、どんなリスクがあるか銀行から説明を受けていますか」 いいえ。
「とりあえず、その書類を出す前に物件の評価を算出し完済なるか残債が残るか試算しましょう」 分りました。
「住宅ローンの残高はいくらありますか」 600万円です。
※評価の結果 1,000万円以上で売却が可能と判断
このケースでは任意売却の申出書は提出する必要はありません。逆に提出すべきではないのです。滞納がまだ1ヶ月で、申出書を出せば期限の利益を放棄することとなり、個人信用情報に金融事故として登録されてしまうんですね。まして、期限の利益を放棄する事で、元金に対して14.6%の遅延損害金が加算されるリスクが伴います。住宅金融支援機構での損害金の扱いは、任意売却で完済とならない場合は損害金免除になりますが、完済の場合は損害金までしっかりと回収されます。その結果、売却によって債務者が得られる剰余金が目減りする事となるのです。
以上の事をお客様に説明し、住構センターにも当方から電話して「任意売却ではなく通常売買をして完済する」旨をお伝えしました。
決して銀行の担当者が間違っている訳ではありません。いくらで売却できるかも判断できないでしょうし、お客様から任意売却の意向を伝えられればマニュアル通りに書類を送る手順となるからです。
もし、お客様が当センターへ相談せず、任意売却の申出書を提出していたらと考えると、債務者の損害は計り知れません。
お客様としては、銀行の担当者の言動に間違いはないだろうと信用し行動します。せめて、その書類を出すことでどのようなリスクがあるのか説明すべきと感じた案件でした。
2017/2/6
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