競売物件の落札すると通常、その買受人に対し裁判所から売却許可決定通知が届きます。一般的に落札から10日から2週間位で届くのですが3週間経っても届かず裁判所に確認してみると「占有者(所有者)が異議申し立てをの抗告をしています」との事。 こうなると書類が高等裁判所に送られ1ヶ月以上は棄却されるまで待たなくてはなりません。
競売の場合、占有者が物件引渡を意図的に延ばす手段としてよくある事ですが、ほとんどのケースでは棄却となります。今回の場合も、暫くして棄却命令が出て代金納付通知が届き、残代金を納付して所有権も無事移転されました。落札者は代金納付と同時に占有者に対して引渡命令を出す事ができます。これは占有者が物件の明け渡しを拒否した場合に強制執行するために必要となります。
しかし驚くべき事に、今度はその引渡命令に対して執行抗告を申し立ててきたのです。一度棄却されたにも拘わらず2度までも! 裁判所の方も「ここまでされる占有者は居ません」とのご意見でしたが、あきらかに制度を悪用した明け渡し引き延ばし作戦です。占有者と話す機会がありその事を訪ねてみると、やはり引越をギリギリまで延ばしたいとの理由でした。これにはただ呆れるしかありません。
このようなケースは滅多にありませんが、やはり競売という特殊事情の物件を購入される場合は、そのリスクも考慮しなければなりませんね。
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